はじめに
START AHEAD
404notfoundは、世の中にすでにあるが忘れられた道具や文化をデザインで現代のライフスタイルに添うように生まれ変わらせる取り組みをするチームの名称です。再発見、再構築、再提案の3つを柱に手にするとちょっと生活が豊かになったり、考えさせられる切掛になるようなものを提案していきます。私はそのクリエイティブディレクションを担当しています。プロダクトは近いうち皆様にお見せできるよう準備を進めています。
酒器をリプロダクトする
REPRODUCT FOR SHUKI
発起人はお世話になっている日本酒アーキテクトの山本さん。日本酒の味は春夏秋冬に例えられるが、酒器はそれに見合ったものがない。そういう考えが根本にあり「だったら作ってしまえないか?」という軽い考えでスタートしていつも通り後々苦労することになる。設計思想を山本さん、私がディレクション、デザインにプロダクトを専門とする川瀬さんにサポートいただいた。
プロダクトの特徴
PRODUCT DETAIL
日本酒を飲むのに最適な素材を古来より日本で使用されてきた錫に見定め、99.99%の純度の錫を使い抗菌性、保冷、保温性に優れたものをつくろうと考えた。形はそれぞれ日本酒の香りや味わいに適したテーマに沿って制作している。
写真の順に春夏秋冬を表しており、春は香りの広がるような、華やかなイメージで。夏の縦に細長い酒器はお酒が錫によりしっかり冷えるよう空気に触れる部分は少なくしている。秋は盃の形、どのような日本酒でも香りを楽し無ことができる万能型、冬の酒器は燗を想定し人の手で包むような、暖をとるような丸い形をしている。サイズはおちょこ程度の小型で親しい人やこれから親睦を深める人と酌をしながら語らうシーンを想定して作りました。
富山高岡のクラフトマンシップ
TOYAMA TAKAOKA CRAFT WORKS
酒器の製作にあたり、さまざまなメーカー、職人さんたちへ相談したが多くのところから断られたり、高額な費用の提示をうけ、実際の商品として完成するのか?とプロジェクトの実現に不安がよぎったころ、デザイナーである川瀬さんの紹介で富山の金属加工メーカー、NAGAEさんから快い返答をいただき、制作が実現に向け動き出した。
富山では各工程を分業化することが普通であり、型は型屋さん、研磨は研磨と職人工房によって得意分野を協力しあい、ものづくりが行われておりスキルシェアリングとも言える。中でも研磨の難易度が高いので人間国宝が所属する工房で型抜きしたものを研磨し、美しいエッジが出るように制作いただいている。さまざまな人の手をわたり、1つのプロダクトは完成する。
CLIENT
404 (NOT) FOUND™
BUSINESS SCOPE
PHOTOGRAPHER