NARA OFFICE RENEWAL

はじめに

BUILD COMMUNEと同じ企業のオフィスエリアの改装と運用の提案。

土木建設業という業務の性質上プロジェクト単位で動いており、常に社員がオフィスにいるわけではなく、現場があれば現場事務所にいる期間も多いことから社長からいくつかの条件提案があった。

◯フリーアドレスで雑然としない整理されたオフィス

◯共有部分を大きくとり、社員のコミュニケーションの機会を増やす

明るく、清潔感のある未来の社員に向けたオフィス

諸条件を満たせるゾーニング、また明るく清潔感があり、未来の社員にPRできるような空間と利用シーンを構築できるようなプランが求められた。与件の整理、どのように使うのか、現況の課題からあるべき姿を見つめることが大切だと考え、空間のポジショニングを検討した。

企画に基づいたゾーニング計画

2つの部署をゆるやかに収納棚で分け、奥はスタッフ同士や委託業者と簡単な打ち合わせに使えるエリアを配置。ミーティングは4名がけのデスク、3名がけのカウンター、またプリンターや資料棚があるため社員がお互いに声をかけやすくなるように機能を集約させている。

打ち合わせエリアに配置した既製品書類棚にはサイズを指定した杉材の集成材をかぶせ、収納量と保管機能を確保しつつもリラックスして会話ができるように工夫。床材はマーモリウムという天然コルク材を圧縮した材料を使用、執務エリアのカーペットとメリハリをつけている。

フリーアドレスのため個人的な荷物などはロッカー、仕事道具はワゴンに。職務中以外は収納棚にしまうので整理されたオフィス環境を実現。2部署の部長には社員全体が見えつつプライベートを確保できるような配置としているが、部屋ではなくオープンな場所で仕事ができるようにした。

柱の化粧をより小さくし、視界をオープンにするため躯体の鉄骨柱まで一旦すべての造作を剥離し、L型の杉材を四方から設置、隙間から少し鉄骨色が見えるようにした。鉄骨色は奈良に多い寺社仏閣に通じるエンジ色なのでそのままの色を採用した。

職人たちと奈良を表現

執務エリアと打ち合わせエリアの間仕切りは木建具を使用する予定だったがコスト面・物理的な仕切りは心理的な障壁になること、光が入りづらくなることを避ける為、カーテンのように暖簾を使うことに。

多くの店舗の暖簾を製作している職人の仁平さんに相談をもちかけた。はじめサイズ感や暖簾は外部に使うものだからとのことだったが、結果的には楽しんで様々なデザイン、色合いを提案いただき奈良盆地の山並みを青とグリーンの色合いで表現した、光を通し、空間を柔らかくする間仕切りとしての暖簾を作成してくれた。

打ち合わせスペースのペンダント照明に使用した和紙は、外資系ホテルの空間演出など、様々な空間を彩る和紙製作チームのwajueさん協力のもと、和紙職人による手作業でグラデーションに染められた和紙を使用。

和紙のいろどりは暖簾と連動させ、青とグリーンの色合いを絶妙なグラデーションに落とし込んでいただいた。wajueさんは私たちがブランド開発を行ったBLACK BOXでもサポートしてくれている。

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CLIENT

平成建設

BUSINESS SCOPE

  • PROJECT MANAGEMENT
  • SPACE DESIGN
  • DESIGN DIRECTION
  • PHOTOGRAPHER

    NORICO UEMURA